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学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐり、財務省が取引の決裁文書を書き換えた疑いがあるとの朝日新聞報道が政界を揺るがせている。野党は報道が事実なら「安倍晋三首相の内閣総辞職は必至だ」と攻め立てる。一方で、朝日は5日現在で、書き換え前とする「契約当時の文書」を「入手」したのではなく「確認」したとしており、これが与野党の神経戦の激化を招いている。
最大の焦点は、朝日の報じた「契約当時の文書」が財務省近畿財務局の「決裁文書」と同一なのかどうかだ。報道が事実なら、国有地売却問題の発覚後に国会議員に開示された文書は決裁後に書き換えられた位置づけとなる。財務省は、公文書を作り替えたそしりは免れず、関係者が刑事罰を受ける可能性もある。
5日の参院予算委員会では「改竄(かいざん)される前の文書があるのか、ないのか」(共産党の辰巳孝太郎氏)など、契約当時の文書に関する質問が集中した。財務省の太田充理財局長は「大阪地検の捜査にどのような影響を与えるか予見しがたいため、答弁を差し控える」などと繰り返した。
仮に財務省が書き換えを主導したならば、開示文書をもとに国会で経緯を説明してきた安倍政権は窮地に陥りかねない。