スゴ技ニッポン

最先端の石炭火力発電でネガティブイメージ払拭できるか

 勿来の隣接地には、三菱重工業など三菱グループ3社と東京電力HD、常磐共同火力が出資する「勿来IGCCパワー合同」が新たな発電所を建設中。また、同県広野町では常磐共同火力を除く4社が出資する「広野IGCCパワー」が、東電広野火力発電所の敷地内でこの春に着工する。いずれも出力54万キロワットと勿来10号機の2倍の出力を備える本格的な商用発電所で、発電効率は48%に高まる見通し。USCを効率性で15%上回り、CO2排出量も15%減る。総事業費は合計で3000億円を超えるが、地元への経済波及効果は1600億円程度と見込まれており、福島第1原発事故で被害を受けた同県の復興にも貢献しそうだ。

 日本では、広島県の大崎上島町でも中国電力と電源開発(Jパワー)が折半出資する大崎クールジェンが中心となり、昨年3月に実証実験を開始。CO2分離・回収設備を付設して石炭ガスの一部をCO2と水素に変換し、前者のみを分離・回収する技術の開発などにも取り組む計画だ。

 石炭火力の優位性は、経済性の高さにある。石炭は埋蔵量が約150年分と豊富で、埋蔵地域に偏りがない。このため今も、世界の発電の約4割を石炭が占める。当面は石炭が中心を占め続ける見通しで、IGCCは経済成長が続くアジアの新設や、老朽化した国内発電所の置き換えで需要が見込まれている。