サイバー潮流

2018年は国家レベルのサイバー攻撃が活発化の予想 ハッカー特定に「諜報も重要」

 田中氏は「特に、マルウェアの解析は各国のハッカーがこれまで使用した不正なプログラムと比較する『指紋の照合』のようなもので、犯行の特定に重要だ」と指摘する。国内外では、「人工知能(AI)でマルウェアを解析する技術も実用化されている」(田中氏)。

問われる「慎重な判断」

 一方で、特定が成功したとしても国の関与を公表することで、国家間の摩擦につながるリスクが高まる。

 米ホワイトハウスは2月15日、ウクライナを中心に世界各地で甚大な損害を引き起こした昨年6月のサイバー攻撃について「ロシア軍が実行した」と断定する声明を発表。「無謀かつ無差別的で、国際的な報いを受けるだろう」として報復を警告した。だが、ロイター通信などによると、ロシアのペスコフ大統領報道官は「証拠も根拠もない」と否定。「声明の発表により、2国間の緊張が高まった」(セキュリティー専門家)という指摘もある。

 国の関与を明らかにすることで、攻撃の抑止につながる一方、国家間の関係が悪化する可能性も否定できない。慶応大学の土屋大洋教授は「むやみにサイバー攻撃の国の関与について情報を流すと、予期しない紛争や国家間のもめ事などに発展する恐れもある。犯人の特定は慎重に行わなければならない」と話す。

北朝鮮が関与?

 事実、信憑性について判断するのが困難な情報も流れている。

 聯合ニュースによると、韓国の情報機関、国家情報院は2月初旬、不正アクセスにより約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件について、北朝鮮の犯行と推定されるとの見方を示した。