「数値の独り歩き検証を」放射線の食品基準など議論スタート 審議会総会

 国の放射線審議会の総会が2日開かれ、東京電力福島第1原発事故後に策定されたさまざまな放射線基準の妥当性について、食品基準と、除染の目安などの根拠となる空間線量率と実効線量の相関関係を中心に今後、議論を進めることで合意した。委員からは「基準の数値が独り歩きしてしまった理由についてきちんと議論すべきだ」などの意見が出された。

 事務局の原子力規制委員会は、審議会に諮問された11基準を含む25の放射線基準について、策定までの経緯と根拠にした文書などをまとめ、総会に提出した。

 事故後の基準では、一般食品は放射性セシウムが1キロ当たり100ベクレル、除染の目安とされる空間線量は個人の年間追加被曝(ひばく)線量1ミリシーベルトを1時間当たりに換算した毎時0・23マイクロシーベルトに設定された。しかし、食品は50%が汚染されていると仮定されるなど、現状とのずれも指摘されている。

 審議会委員の甲斐倫明・大分県立看護科学大教授は「0・23マイクロシーベルトは当時、除染検討地域の絞り込みのために設けられたが、今は除染が必要な基準に変わり、数値が独り歩きしている」と指摘。「策定当時は仮定や目的、対象範囲が明確だった基準が、なぜ独り歩きしてしまったのか、議論と検証が大事だ」と述べた。

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