東京五輪

東京の顔決定、予想以上の成功 組織委うれしい誤算

2020年東京五輪・パラリンピックの「顔」が、ついに決まった。大会マスコットの最終候補3作品から選ばれたのは、大会エンブレムが額に浮かび、日本の伝統とクールさが融合した「ア」案だった。昨年1月に大会組織委員会が選定に取り掛かって約1年1カ月。最後は全国の小学生が決めるという画期的な取り組みは全国的な広がりをみせ、大会機運の盛り上げにも貢献することになりそうだ。

東京都品川区の小中一貫校「豊葉の杜学園」で行われた発表会。「ア」案の採用が決まり、取材に応じた組織委の森喜朗会長はうれしそうだった。「こんなにすごい広がりになるとはちょっと思わなかった」。投票に参加したのは、全国の小学校の7割を大きく超えた。うれしい誤算だった。

最終決定を小学生に委ねるという初の試みに対し、国際オリンピック委員会(IOC)は当初、「本当にできるのか」と懐疑的だった。それでも大会の機運醸成とともに「子供に愛されるマスコットを作りたい」と訴え、了承を得た。

文部科学省などの協力もあり、全国規模の投票ネットワークを構築した。一部の大人でなく小学生に決めさせることで、一度は撤回を余儀なくされた大会エンブレムで課題となった選考の公平性や透明性も高めた。

会員限定記事会員サービス詳細