父の教え

児童文学作家・角野栄子さん 寝る前・食後…父のお話が創作の種に

 孝作さんがまいた創作の種は見事に芽吹き、角野さんは35歳のときに作家としてデビュー。これまでに200冊以上の児童文学を生み出してきた。

 83歳の今もなお、創作意欲は衰えない。これから書いておきたい長編が2つある。1つは孝作さんの物語だ。「父の話を講演やエッセーで時々するから、近しい編集者や友人からぜひ、書きなさいってすすめられるんですよ」

 子供思いで、のんびり屋で、おしゃれだった孝作さんが生きた、昭和の時代を描くつもりだ。角野さんが紡ぐ世界のなかで、孝作さんともう一度会える日も近いかもしれない。(油原聡子)

 ≪メッセージ≫

 もう一度会いたい。顔を見るだけでいいから、会いたいですね

【プロフィル】角野孝作

 かどの・こうさく 明治39年、東京生まれ。小学校を卒業後、東京の質商に奉公に出る。その後、独立。昭和16年秋に出征するが病気のため年末に召集解除された。療養後、軍需工場に徴用される。戦後も質商の経営を続けた。平成10年、93歳で死去。

【プロフィル】角野栄子

 かどの・えいこ 昭和10年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、紀伊國屋書店出版部に勤務。34年、自費移民としてブラジルに2年間滞在。45年、この体験を元にしたノンフィクション「ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて」で作家デビュー。主な著作に「魔女の宅急便」「トンネルの森1945」など。

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