原発最前線

2年超「審査申請ブランク」解消へ 島根原発3号機 2号機は基準地震動クリア

 原発再稼働に向け、2年以上停滞していた安全審査申請に新たな動きが見えてきた。原子力規制委員会は2月16日、中国電力島根原発2号機(島根県)の審査で最大の難関だった「基準地震動」を了承し、中国電はこれを受けて、建設工事をほぼ終えている島根原発3号機の審査申請を早期に行う方針を表明した。申請されれば27基目で、平成27年11月以来となる。(社会部編集委員 鵜野光博)

活断層めぐり「紆余曲折」

 「島根原発2号機の基準地震動の策定では、だいぶん長い間審議をしてきて、紆余(うよ)曲折がいろいろあったが、今回でだいたいまとまったと考える」

 16日の審査会合で、規制委の石渡明委員はこう審査を締めくくり、820ガルとした基準地震動を「おおむね妥当」と評価した。基準地震動とは耐震設計の目安となる地震の揺れ想定で、これが確定しなければ、原子炉施設などの審査に本格的に入ることができない。

 中国電は当初、敷地の南側を東西に走っている宍道(しんじ)断層の長さを約22キロと仮定し、基準地震動を600ガルとしていた。

 規制委での審査では、信頼性を高めるため断層の西端を約3キロ延長し、長さを約25キロとして800ガルに上方修正。さらに28年7月、国の地震調査研究推進本部が発表した「中国地域の活断層の長期評価」の中で、断層の東端よりさらに東側について「活断層の可能性がある」と指摘された。

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