アブダビ更新も権益比率10%に低下 関与拡大目指すも目標遠のく

権益が更新された下部ザクム油田の生産施設=アブダビ首長国(国際石油開発帝石提供)
権益が更新された下部ザクム油田の生産施設=アブダビ首長国(国際石油開発帝石提供)

 アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の海上油田の権益更新は、日本の官民挙げた資源外交の一定の成果だ。中国やインドなどが獲得に攻勢を強める中、長年の操業実績や社会貢献が評価されたとみられる。ただ、権益比率は低下し、日本政府が目指す自主開発比率の達成は厳しくなっている。

 「(下部ザクム油田の)10%を獲得できたのは大きな成果だ」。国際石油開発帝石の藤井洋常務執行役員は26日、こう語って安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 国際帝石は現在、アブダビからの引き取り量が日量25万バレル。今回の権益比率低下などで一時的に引き取り量は減少するが、生産増強で「2020年代半ばには28万バレルに増える」(藤井氏)と強調する。

 日本にとってUAEはサウジアラビアに次ぐ原油輸入元で、全体量の4分の1を占める。中でもアブダビは、日本勢が世界に保有する油田権益の約4割が集中する。このため国際帝石は操業実績や開発計画のほか、研修生の受け入れや植林など社会貢献で信頼関係を築いてきた。

 ただ、原油の輸入量が増加する中国やインドは新規の権益獲得に向け、働きかけを強めている。特にアブダビ原油は埋蔵量が大きく、生産コストが低い。獲得競争には「14社以上」(同)が参加し、争奪戦を繰り広げた。

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