【ニッポンの議論】米月基地構想への参加 「人類の進歩に貢献を」「社会の議論が不可欠」(1/4ページ) - 産経ニュース

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ニッポンの議論

米月基地構想への参加 「人類の進歩に貢献を」「社会の議論が不可欠」

JAXAの佐藤直樹技術領域上席(右)と会津大の寺薗淳也准教授(草下健夫撮影)
JAXAの佐藤直樹技術領域上席(右)と会津大の寺薗淳也准教授(草下健夫撮影)

 政府は2020年代に月基地を建設する米国の構想に参加するかについて、検討を始めた。将来の有人火星飛行も視野に入れた構想で、実現には国際協力が欠かせない。米トランプ政権が国際宇宙ステーション(ISS)への資金拠出を25年までに打ち切る方針を示す中で、日本はどのような選択をすべきなのか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で有人月探査の旗振り役を務める佐藤直樹技術領域上席と、月探査に詳しい会津大の寺薗淳也准教授に聞いた。(科学部 草下健夫)

JAXA佐藤直樹氏「人類の進歩に貢献を」

 --米国の月基地構想の内容は

 「米航空宇宙局(NASA)が昨年4月に公表した。月の上空を周回する基地を2020年代前半にも建設し、1回の飛行で初期には4人の飛行士が最長約30日滞在する。月面と、火星に将来向かうためのベースキャンプの性格を持つ。米国はISSの運用が終了しても、切れ目なく有人宇宙飛行をやりたいようだ」

 --日本はどうすべきか

 「米国の構想に参加すべきだ。参加はISSなどで実績を挙げてきたからこそ得られる権利だ。科学技術立国の日本が人類の進歩を支えるのは義務でもある。ISSの物資補給機や実験棟の開発・運用で獲得してきた技術や、飲料水の再生、空気浄化などで貢献できる。同盟国たる米国の科学技術の粋を集めた壮大なプログラムに参加しない理由はない。米国も日本に強く期待している。JAXAは参加を通じ日本人飛行士の月面着陸も目指している」

 --参加にどんな意義があるか

 「活動領域を広げるのは生物の本能。人類は高度400キロのISSで過ごしており、次に月に行くのは自然な流れだ。新しい知識を求めて探査することで、科学に大きく寄与する。獲得する新技術は地上の人々にも波及効果を生む。日本でもまず政府が主導して探査することで、月面の水などを資源として利用する企業の活動をリードできる」