「せんとくん」経済効果2105億円 宮本・関大名誉教授が誕生10年で試算

 今月10歳になった県のマスコットキャラクター「せんとくん」の経済効果が、誕生から10年間で約2105億円に上るとの試算を、関西大の宮本勝浩名誉教授がまとめた。10年で宿泊・日帰り客数が計約3千万人増えたことが要因で、宮本名誉教授は「非常に大きな経済効果をもたらした」と分析している。

 宮本名誉教授はせんとくん誕生前(平成16〜19年)の県宿泊客数の平均値を173万人、日帰り客数の平均値を1632万人と算出。これを基準として、20年の誕生以降、昨年までに増加した観光客数(宿泊客393万人、日帰り客2717万人)をせんとくんによる純増として計算し、それらの観光客の1人当たりの県内消費額(計約2210億円)を元に、経済効果を割り出した。

 その結果、奈良県への経済効果は約2105億円で、3万3150人の新規雇用を生み出していたことが分かったという。

 県内に落ちた額よりも経済効果が約100億円低いことについて、宮本名誉教授は、「奈良は県外で作られた商品や食材を県内で販売しているため、売り上げの一部が県外に流出している」と指摘。「経済効果を高めるためには、県内に製造拠点を増やしてものづくりに力を入れる『自給率』を上げる努力が必要だ」と話した。

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