3月末に統廃合でなくなる神戸市立兵庫商業高校(同市兵庫区)で23日、最後の卒業式とともに閉校式が行われた。最後の卒業生のほか、OGら関係者が出席し、90年の歴史を持つ「兵商」の閉校を惜しんだ。
同校は昭和3年に創立された前身の私立北神商業学校から数えて90年の歴史を持つ伝統校。平成25年、少子化や校舎の老朽化などを理由に市立神港高校(同区)との再編・統合が決定。今年4月からは市立神港橘高に完全に生まれ変わる。
閉校式に先立ち卒業式が行われ、同校最後の卒業生198人を含め関係者約800人が出席。山下哲朗校長は「最後の卒業生として自信と誇りを持ち、未来に進んでほしい」と語りかけた。続く閉校式では、90年の歴史を写真で紹介するスライドショーを上映。懐かしい過去の記録などが映し出されると、卒業生らから歓声が上がった。山下校長が校旗を返納した後、出席者全員で校歌を歌った。
卒業生の多くが退場する際には涙を浮かべた。田畑優さん(18)は「歴史あるこの学校の最後の卒業生になって誇りを感じる。兵庫商業の名前に恥じないようにこれからの人生を歩んでいきたい」と話した。
25日には110年の歴史を持つ市立神港高校の閉校式も行われる。