「ユニバーサルマナー」を企業が積極導入 さまざまな人と暮らす心遣い、東京五輪・パラや大阪万博に向け機運急上昇

「本業に役立つ」

 ユニバーサルマナー検定は、3級は講座を受講すれは認定される。2級はより専門的な講座と実技研修を受け、試験に合格する必要がある。

 企業の間では、飲食店や小売店、ホテル、結婚式場など接客を伴うサービス業で関心が高いが、伊藤忠テクノソリューションズはIT企業として初めて検定を導入。昨年7月にも東京で講座を開き、グループ社員約500人が受講した。

 同社で検定導入を主導した広岡純治・執行役員経営企画室長は、「ITで世の中を変えるという当社の使命と、障害や国籍などの壁を超えて暮らしやすい社会を作るユニバーサルマナーの理念は、一致する部分が多い」と指摘。広岡氏自身も受講した結果、「街を歩くときや、ふとした瞬間にユニバーサルマナーを意識する」といい、「社員に気づきを与えてくれて、本業のシステム開発にも役立つ」とメリットを話す。

 同社は検定導入後、受付に盲導犬、介助犬、聴導犬を温かく迎える意思を示す「ほじょ犬マーク」を掲げるなど、社内でダイバーシティへの理解が深まったという。

ハートを変える

 ユニバーサルマナーを提唱したミライロは、垣内俊哉社長(28)が立命館大に在学中の平成22年に学生ら3人で創業。骨の病気から長く車いす生活を送る垣内氏は、「バリア(障害)を価値(バリュー)に変えていこう」という理念を掲げ、自らの体験に基づきユニバーサルデザイン(障害者や高齢者らも利用しやすいデザイン)の開発やコンサルティング、バリアフリー地図の作成などを手がけてきた。

 ただ、企業の中には「バリアフリーは大切だが、ハード(施設や機器)にあまりお金をかけられない」という声もあった。そこでミライロでは「ハードだけでなくハート(心)も変えていこう」と、25年に同社を母体とする一般社団法人「日本ユニバーサルマナー協会」を設立し、検定制度を創設した。