豊岡市出石町内で生産される「出石そば」が、「地域ブランド」として特許庁の地域団体商標に登録された。今後、町外で作られた製麺商品は「出石そば」と表示できず、22日に同市で会見した商標権者の出石皿そば協同組合は「消費者に本物の出石のそばを届けられる」と強調している。
同組合の地域ブランドは同町内店舗で提供される「出石皿そば」(平成23年登録)に続く2例目。「出石そば」は27年に再出願し、特許庁の査定を経て今年1月12日に登録された。
乾麺や半生麺など同町内産商品が対象で、組合には製麺業者4社が加入し、京阪神を中心に年間約300万食を出荷している。
しかし、「関西のそばどころ」のイメージから、町外業者も「出石そば」として類似商品を販売する例があり、紛らわしさを解消するなどの目的で、地域ブランド化を図った。
これにより、同組合の許可なく新たに発売される町外の製麺商品は「出石そば」とは表示できない。一方で登録日以前の既製品は権利関係上対象外という。
同組合の田中藤一郎理事長は「登録の効果は大きい。300年の歴史がある出石そばのブランドを守り、消費者にアピールしていきたい」と話した。
地域ブランドとなる同商標制度は18年から始まり、但馬地域では「豊岡鞄」「城崎温泉」「但馬牛」などが登録されている。