正論

戦闘を忌避する現代日本の文化 東京国際大学教授・村井友秀

 (2)軍事訓練は、兵士の戦闘技術を向上させ行動を自動化する。軍事訓練を受けない集団では、臆病者はすぐに逃亡し勇敢な者は無謀な行動で無駄に死ぬだろう。軍事訓練の要点は組織的行動である。

 (3)教育は兵士に戦う目的を与える。「正義の戦い」「聖戦」のためなら兵士はよく戦う。兵士は自分の命よりも大事なもののために戦う。教育は兵士に民族や国家は個人の命より価値があると教える。宗教は兵士に「天国への近道」を教える。戦国時代に、最も戦闘力があるといわれた一向宗門徒は「進者往生極楽、退者無間地獄」と書いた旗を立てて戦った。

 さらに、教育の重点は「戦闘意欲を最も高進させる要因は、イデオロギーや対敵感情ではなく、部隊を構成する兵士の間に培われた家族同然の精神的連帯感である」(マーシャル米陸軍元帥)という点である。

 兵士も人間であり生存本能がある。自分が生き残るように行動すれば、「戦友は助けよ、自身は死すべし」は無理である。しかし、人間は本能的に自分の身を守ると同時に家族を守ろうとする。家族を守るのも人間の本能である。

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