強豪に力の差を見せつけられた。ジャンプ男子団体で、上位3チームが135メートル超のジャンプを連発する中、日本は130メートル以上でさえ小林陵が2回そろえるのがやっと。6位にとどまり、2大会連続のメダル獲得はならなかった。葛西は「陵侑以外、平昌で調子を上げられなかった」と完敗を認めた。完全に蚊帳の外に置かれた。1番手・竹内の1回目からアンカー小林陵の2回目まで、6位から順位を上げられない。回数を重ねるごとにノルウェー、ドイツ、ポーランドの背中は遠のいていった。
平昌五輪に合わせるかのように駒はそろった。前回のソチ五輪団体銅メダルの葛西、伊東、竹内に続く4人目の登場が待ち望まれていたところ、昨年夏から小林兄弟が急成長。斉藤智治監督は「互いに刺激し合ういいチームになった」と手応えをつかんでいた。
しかし、伊東が昨年11月に右肩を脱臼し、調整が遅れた。ワールドカップ(W杯)個人総合で日本勢トップの8位につける小林潤は今大会ではよもやの不調で、団体メンバーから落選した。
この結果を糧にできるか。45歳の葛西は「(次の五輪を)目指すというか、絶対に出る」。日の丸飛行隊の視線の先には、雪辱の舞台となる4年後の北京がある。(奥山次郎)