被告人質問の後、悔しくて腹が立ってどうしようもなかったです。被告人が質問に答えず、はぐらかしてばかりだったからです。被告人は至近距離にいましたから、飛びかかって殺してやりたいとずっと思っていました。その日の夜は、怒りと興奮でさらに眠れないだろうと思っていましたが、自分で思っている以上に全身が疲労していたようで、いつもより早く眠りました。いえ、眠ったというより、倒れてそのまま起き上がれないような疲労感でした。
■この事件について思うこと
この事件で悪いのは被告人であることは、よくわかっています。ですが、事件の日、妻が外出していたら、とか、娘たちが友達の家に遅い時間までいたら、とか、私が会社を早退していたら、など、「こうしていたら事件にはならなかった」ということを色々と想像してしまいます。しかし、裁判を通じて感じたのは、被告人が最初に警察に行きたいと言っていて、実際に警察に行ったのだから、あそこで取り逃がしていなかったら、6人の命は奪われなかっただろうということで、その気持ちが一番強いです。そして、取り逃がした後も、不審な外国人についての通報が続いたのに、なぜ地域住民に広報を徹底しなかったのか。その点についての疑問が私の中から消えることはありません。