一口にDJといっても、曲をかけて客を楽しませるクラブDJやラジオDJなど幅広い。玲那さんが憧れたのは、特殊な技術を使ってターンテーブルを楽器のように演奏する「ターンテーブリスト(バトルDJ)」。レコードを前後にこする「スクラッチ」や、2枚のレコードを交互に再生して複雑なリズムを再構築する「ビートジャグリング」が代表的なプレーだ。
父、浩之さん(48)が過去に趣味でDJをしていたことから、自宅にはターンテーブルなどの機材があった。玲那さんは動画投稿サイト「ユーチューブ」でDJのプレー動画を夢中で検索しては「見よう見まねで勉強した」という。
群を抜くリズム感 16カ国の代表と真っ向勝負
10歳のとき、DMC世界大会チーム部門5連覇の記録を持つ「KIREEK」のDJ HI-C(ハイシー)さん(35)と出会い、指導を受けるようになった。HI-Cさんは「最初はリズム感がいいなと感じた。シンプルだけど大切で、ダンスをやっていた影響だと思う」と話す。
小学5年で初めてDJの大会に出場してからの活躍はめざましい。国内外で結果を残し、昨年8月、世界大会への出場権をかけたDMCの国内大会で優勝。日本代表として挑んだ世界大会では、曲(ルーティン)の構成やテクニックを競う花形の「シングル部門」に出場。米、英、仏など日本を含む16カ国の代表、16人が真っ向勝負した。