「働く子育て世代」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。家事に追われる中、いかに子供の食育に気を配るかは難しいテーマです。ただ、食事の基本は「食べることを楽しむ」ことです。無理のない範囲で対応が求められます。
最近、少し驚いたことがあります。「野菜は肉の3倍食べないといけない」と育てられてきた人が周囲に何人もいたことです。肉を食べるとき、「その3倍の野菜を食べないと」と不安を抱えながらの食事になっていたという話も聞きました。
私自身は「野菜は肉の3倍食べる」と教わった記憶がなく、アスリートにもそうした指導はしていません。少し気になったので根拠となる資料がないか、頭を巡らせていると、国の指標に一日あたりに食べる野菜を「350グラム」という数字がありました。
一般的な家庭の食卓で、魚や大豆食品などいろいろなタンパク質源を取る中で、肉が1日100グラムだとすると野菜が350グラムなら、だいたい「3倍」にはなります。ただ、野菜といってもいろいろな種類があります。
レタスやキュウリのような大半が水分の夏野菜だと350グラム食べたとしても、吸収できる栄養素は限られてしまいます。ビタミン、ミネラルを効率よく取るためには、緑黄色野菜であるニンジンやトマト、ブロッコリーが理想的で、その他にもゴボウなどの根菜類は繊維が多く含まれ、腸内環境を整えてくれます。
同じ効果はキャベツにも期待でき、タマネギもオリゴ糖が成分に含まれているため腸内環境を整えます。