チャーチル元英首相、見誤った日本観 マレー作戦を予測→日本軍を過小評価しシンガポール陥落

 進攻先として、「aタイbマレーc蘭印(オランダ領東インド=現在のインドネシア)dロシア(ソ連)沿海州」を挙げた上で、「日本は対英、おそらく対米開戦の予備的作戦として最初にタイに進駐する。タイ占領後、マレーさらに日本が最も不足している石油を求めて蘭印に進攻するだろう。日本の石油備蓄量は9カ月から12カ月分だからだ」と石油資源獲得目的で英領ボルネオから蘭印に進むと予測。一方、伝統的な敵であるロシア(ソ連)への進攻(北進)に対しては、「圧倒的な優位性がないため、極東ロシア軍が弱体化するまで据え置かれる」と否定した。

 さらに米国側が事実上の最後通告となるハル・ノートを出した2日後の同11月28日に開催した同小委員会では「日本軍が取る可能性のある軍事行動」と題して、「マレーと蘭印作戦を進めるため、タイへの進駐はほぼ確実。ワシントンでの交渉決裂直後に実行されるかもしれない」とタイ進駐が差し迫っていることを予測した。

 さらに「マレー進攻はおそらく北の陸上から実施され、半島最南端のシンガポール強襲も海上から行われない」とし、マレー半島を南下してシンガポールを攻略する作戦の概要を把握していた。ただ、タイ進駐からマレー進攻までは少なくとも2カ月の準備期間を要するとした。

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