チーム結成からわずか8年。北海道北見市に本拠地を置くカーリング女子の「LS北見」が14日、平昌五輪の初戦に登場する。「マリリン」の愛称でカーリングの顔として活躍した本橋麻里(31)が、2010年バンクーバー五輪後に地元に戻って結成し、メンバー全員が同市出身。「選手が思いっきり戦う姿が見たい」。ゼロからスタートし、地元の熱い声援に支えられた「奇跡のチーム」が世界に挑む。
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有望選手が流出
「ゼロから始まって本当に心が折れたこともあった。今では北見から世界を目指しているという目標に対して、応援してもらえることがすごく力になっている」。本橋は平昌入りする前、こう話していた。
地元の名前で世界に挑めないのはなぜだろう-。「チーム青森」の一員としてバンクーバーを戦い終えた頃、本橋の胸にそんな思いが去来した。本橋は故郷の旧常呂(ところ)町(平成18年に北見市に合併)に戻ると、チーム結成に奔走した。
同町は長年、町おこしの一環としてカーリングの普及に取り組む。通年で使用可能な屋内競技場が整備され、合併後の現在も学校の体育の授業にカーリングが取り入れられている。ただ近年、有望選手が活躍の場を求めて札幌市や本州に流出していた。地元に実業団チームがなかったからだ。