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いま最も視聴率を稼ぐ男と呼ばれるドラマ演出家が監督を務めた映画「祈りの幕が下りる時」が全国で公開されている。視聴率50パーセントを叩(たた)き出したドラマ「半沢直樹」や「下町ロケット」、「陸王」などを手掛けたTBSのドラマ制作部に所属する福澤克雄監督。「もともと私は映画監督志望だったんです。でも両方やってみて分かりました。作品によってドラマ向き、映画向きがあり、ケース・バイ・ケースで作り分けるべき。私は両方続けていきたい」。果たしてヒットの方程式はあるのか? 視聴率請負人に映像作りの極意を聞いた。
(戸津井康之)
師の教えで撮った傑作
公開中の「祈りの幕が下りる時」は作家、東野圭吾の小説を原作に、平成22年から8年間続いた人気ミステリードラマ「新参者」シリーズの最終章となる劇場版だ。
主人公は、阿部寛演じる日本橋署のベテラン刑事、加賀恭一郎。今回の完結編では、なぜ、加賀が日本橋署の新参者となったのか-というシリーズ最大の謎が明かされる。
《東京・葛飾のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は滋賀県在住の押谷道子。アパートの住人、越川睦夫も行方不明になっていた。捜査線上に浮かんできたのは舞台演出家の浅居博美(松嶋菜々子)。加賀(阿部)は捜査を進めるうちに、幼い頃に失踪した母がこの事件に関連していることに気付く…》
今作のロケ地は東京、滋賀県など全国各地、広範囲に及んだ。
「ロケの候補地は全国に広がりましたが、自分の足で歩いて探しました」と福澤監督は語る。