櫻井よしこ 美しき勁き国へ

「左傾」強める歴史教科書「ゆとり教育」「左翼史観教育」に戻ることは許されない

 高大連携歴史教育研究会は昨年10月、高校の歴史教育に登場する歴史用語は3400〜3800ほどもあり多すぎるとして、これを2000〜2500に、約40%減らす案を発表した。

 子供たちが覚えなければならない内容を減らし、考えさせる学習へと方向転換するという理屈だ。だがそれは、教える量を減らして子供たちに自主的に考えさせるとした、あの悪名高いゆとり教育への逆戻りである。また失敗して日本の子供たちの知力低下に終わるのは間違いない。

 加えて「多すぎる歴史用語」を減らすというが、その基準は日本否定のイデオロギーを反映している。教科書から抹殺する候補として吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作らの名前が挙げられているが、これは国難を乗り切った明治維新とその時代を命がけで走り抜いた英雄たちを全く評価しないということだ。明治以降のわが国の歩みの否定が膿(うみ)のように染み込んでいる。徴用工を強制連行と決めつける先述の記述もその具体例だ。

 日本で進行する反日教育とは対照的に、中国も韓国も自国の偉大さを強調する歴史教育を推進中だ。「習近平思想」は指導思想として中国の憲法に書き込まれ、中国共産党は完璧な存在と位置づけられた。