櫻井よしこ 美しき勁き国へ

「左傾」強める歴史教科書「ゆとり教育」「左翼史観教育」に戻ることは許されない

 鄭忠海(チョンチュンヘ)氏は『朝鮮人徴用工の手記』(河合出版)で、寝具から食事まで、手厚く準備されていたと語っている。

 学校ではこうした事実を子供たちに教え、中韓の主張ではなく、事実に基づいて日本人として考える力を養ってやるべきだ。

 だが、日本の教育現場は逆方向に進んでいる。2月の日教組の教育研究全国集会では中韓の反日歴史教育に歩調を合わせるかのような実践例が報告された。平和教育として、昭和6年の満州事変から大東亜戦争終結までを「十五年戦争」として小学生に教えているという。「十五年戦争」は、日本がずっと「侵略戦争」を続けていたという強い否定的な意味を含んでいる。そのこと自体、誤りで、小学生に教えるのは不適切だ。

 郷土愛を育てるために郷土の英雄について教えるのは、「現状肯定の危険性」につながり、「社会の矛盾や格差、搾取、支配者の狙い」に注目させるべきだとも指摘された。

 思い出すのは、聖徳太子の名前を「厩戸王(うまやどのおう)」に変えるという、昨年の文部科学省の発表である。案は批判を受けて挫折したが、歴史上の偉人を削除する方針はその後も続いている。拓殖大学客員教授の藤岡信勝氏は、背景に日本学術会議史学委員会高校歴史教育分科会などと連携する「高大連携歴史教育研究会」があり、文科省も同調していると喝破する。