空中浮遊する「人工ホタル」 東大など開発、極小LEDで立体映像

極小LEDで空中に描いた「L」の文字 (20秒間露光)
極小LEDで空中に描いた「L」の文字 (20秒間露光)

 ホタルのように空中を飛び回り、3次元の映像を描ける極小の発光ダイオード(LED)光源を東京大と慶応大の共同研究チームが開発した。空中に文字を表示するディスプレーや、本の上を浮遊する読書灯への応用が期待できるという。

 人間の耳に聞こえない超音波を制御して空間に力の場を作り、物体を浮かせる技術を利用。直径4ミリ、重さ16ミリグラムの半球形状のLED光源を空中で自在に操ることに成功した。

 物体の空中浮遊は発泡スチロールや水滴のように非常に軽いものは可能だが、電源を搭載する重いものは難しい。チームは電気自動車への応用が検討されているワイヤレスでの送電方式を採用し、受電用の回路を工夫して軽量化した。

 鏡を使って空中に立体映像を表示させるなどの例はあるが、高宮真・東大准教授は「実際に素子が光るので、リアリティーが違う」と話している。(原田成樹)

会員限定記事会員サービス詳細