米ホワイトハウスは9日、トランプ大統領が次期駐オーストラリア大使にハリー・ハリス米太平洋軍司令官(海軍大将)を指名すると発表した。トランプ政権が打ち出したインド太平洋戦略の実行を担う。就任には上院の承認が必要となる。
ハリス氏は日系米国人初の米太平洋軍司令官。中国が周辺国と領有権を争う南シナ海問題などでの対中強硬姿勢で知られる。オーストラリアの政界や軍に築いた豊富な人脈を生かし、同盟関係を強化することが期待されている。
ホワイトハウスは声明で「幅広い見識と指導力を備え、インド太平洋地域の地政学に精通している」と資質を称賛した。
トランプ氏は昨年のアジア歴訪で「自由で開かれたインド太平洋」を目指す考えを表明。地域で影響力を増す中国をにらみ、日米にインド、オーストラリアを加えた4カ国の協力を推進する方針で、ハリス氏はけん引役となりそうだ。(共同)