外遊び大好き人間にぴったりのスマートウオッチ「CASIO PRO TREK Smart WSD-F20」の販売を産経ネットショップで始めました。CASIOのPRO TREKといえば、山岳系アウトドア派から絶大な支持を得てきた人気ブランドですが、Smart WSD-F20はトレッキングはもちろん、ゴルフやフィッシング、サーフィン、スキーなど、アウトドア全般で活躍するスマートギアに進化。今回は、実際にデモ機を使って山登りとゴルフに行ってきました。
山に登る趣味を始めて5年。自分のいる位置が分かるGPS端末がずっと欲しかった。しかも軽くてかさばらず、落としにくく使いやすい端末。CASIO PRO TREK Smart WSD-F20が発売されて、もしや求めていたモノはこれかもしれないと直感した。
登山者にとって最大のリスクは道迷いだ。ガスに覆われた山頂から下山を始めるとき、自分の選んだルートが本当に正しいか不安を覚えた経験は登山をする人なら誰でもあるだろう。森の中で三叉路に出くわしたとき、どちらに進むべきか悩んだこともあるだろう。本来であれば10分程度で到達するはずの目標地点に到達できず、道を間違っていたことに気づいて、動揺した自分を落ち着かせながら、来た道を戻った経験が何度もある。
道迷いを防ぐために使い始めたのが、2014年度グッドデザイン・ものづくりデザイン賞を受賞したアプリ「YAMAP」だった。スマートフォンのGPS機能を使い、画面上に表示されたカラーの登山地図の上に、自分のいる位置や歩いてきた軌跡をリアルタイムで記録してくれる。ルートだけでなく、活動開始から終了までの時間、活動距離、消費カロリー、高低差、累積標高上りと下り、といった情報も保存してくれるアプリだ。
だがこのアプリにも弱点があった。スマートフォンを使うがゆえに、自分の位置を確かめるためには必ず手に持たねばならなかったことだ。テントや食料などを詰めた約15キロのザックを背負い、手袋をはめた両手にトレッキングポールを持っている状況で、スマートフォンを操作するのは危険だ。道迷いの方がリスクが高いのでスマホを使うが、心配性の私は常にスマートフォンをポケットから出し入れしていた。もしも落としたら、それこそ命取りになる。
この弱点を解消したのが、CASIOのスマートウォッチ PRO TREK Smart WSD-F20だ。YAMAPを運営するヤマップ社とカシオ社がWSD-F20の開発段階から連携し、YAMAPアプリ側にもWSD-F20との連携機能を盛り込んだ。結果として、PRO TREKシリーズに名を連ねるのにふさわしい山岳スマートウォッチに仕上がったという。
使い方をざっくり説明すると次のような手順になる。(1)スマートフォンのYAMAPアプリに登山ルートの入った地図データをダウンロードする (2)スマートフォンからWSD-F20に地図データを転送する (3)出発地点で、WSD-F20上のYAMAPアプリをスタートし、ゴール地点で終了する (4)終了後、Wi-Fi環境下に入ると自動的にWSD-F20からスマートフォンにデータが転送される-という仕組みだ。
2017年12月9日(土)、神奈川県相模原市の石老山(標高702.8m)にWSD-F20を着用して登ってみた。時計部分が通常の腕時計よりも厚く、大きさも一回り大きい。腕時計を着ける習慣がなくなった私には邪魔になるのではないかと心配していたが、まったく杞憂だった。ザックをはじめとする登山道具をあちこちに身に付けているせいか、むしろちょうどよい。
一般的なスマートウオッチは使っていないときには画面が真っ黒になるが、WSD-F20はカラーとモノクロの2層液晶ディスプレイを採用しているため、低電力で常に時刻を表示し続けてくれる。いつチラ見しても時刻が表示されていて、その機能が維持されていることの証左となり、思わぬ安心感を抱いた。
歩いている道に自信がなくなったとき、時計の横にあるボタンを押してYAMAPアプリを開く。スマートフォンで見ているの同じカラーの地図が立ち上がり、自分の位置と軌跡がきれいに表示された。ついでに標高を確かめ、目標までの高低差を把握し、自分の体力と相談して休憩をとるかどうかを考える。「大丈夫、問題ない」。安心して前を向いて進むことができた。
結局、4時間14分の行程中にスマートフォンを取り出したのは、写真を撮るときだけだった。GPSとしての役割はWSD-F20に譲った形になった。
気にしていたバッテリーも、午前零時にフル充電にして18時に自宅に戻るまで切れることはなく、バッテリー残量は45%。1泊2日以上の登山であれば充電用バッテリーは必携だが、日帰り登山であれば問題ない。
想像以上に使い勝手の良いスマートウォッチだったが、1点だけ弱点がある。私がペアリングに使ったスマートフォンはiPhoneだったため、iPhoneとのデータのやり取りに若干の手間がかかるのだ。必ずWi-Fi環境下でなければならないし、WSD-F20側も充電器と連結して十分な電力が確保されていなければならない。
WSD-F20はAndroid wear端末のため、Andoridのスマートフォンとのペアリングであれば、Bluetoothを使って容易にデータのやり取りができるとのこと。Andoridスマートフォンを持っているユーザーにとっては文句なしの「PRO TREK」スマートウォッチになるに違いない。ぜひともiPhoneについてもBluetoothを使った簡単な移行操作ができるようにしてもらいたい。
「CASIO スマートアウトドアウォッチ PRO TREK Smart GPS搭載 WSD-F20」は、カラーはブラック、オレンジの2色。4万9572(税込み)。