浪速風

菜の花ドロ、「公」のない貧困な精神 司馬遼太郎記念館周辺の770本、まだつぼみなのに…

【浪速風】菜の花ドロ、「公」のない貧困な精神 司馬遼太郎記念館周辺の770本、まだつぼみなのに…(2月9日)
【浪速風】菜の花ドロ、「公」のない貧困な精神 司馬遼太郎記念館周辺の770本、まだつぼみなのに…(2月9日)
その他の写真を見る (1/2枚)

「山陰の小京都」と呼ばれる島根県の津和野は「鯉の町」としても知られる。城下町の風情を残す掘割に、色とりどりの鯉が泳いでいる。訪れた司馬遼太郎さんが町の人に尋ねた。「この鯉をたれかとらないんですか」。すると、そんなことは考えたこともないと、びっくりされた。

▶司馬さんは思った。町全体に「公」の精神があるのだろう。鯉は公のものだとされている-。東大阪市の司馬遼太郎記念館周辺の菜の花約770本が、何者かに切り取られる被害に遭った。毎年、司馬さんの命日(2月12日)の「菜の花忌」前後に、近鉄八戸ノ里駅から記念館までの道筋に、プランターを設置している。

▶まだつぼみの、その下10〜15センチ程度を切り取っており、食用にするつもりかもしれない。司馬さんをしのび、春の訪れを感じようと、地元の人たちがボランティアで咲かせているのだ。知らないはずはあるまい。公のない貧困な精神を、司馬さんも悲しんでいるだろう。