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「何でこんなことをしたんだ」。取引所コインチェックをめぐる仮想通貨「NEM(ネム)」の流出問題が発覚した1月26日、複数のユーザーがネムの機能を使い、流出先に使われた口座にそんなメッセージを送った。ネムを盗み出した相手とコンタクトを図ったのだ。
沈黙を保っていたその対象者は1月30日に突如、一部のメッセージ送信者に対し、少額のネムの送金(当時のレートで約9千円相当)を開始した。ネムの移動履歴はインターネット上で誰でも確認できる。これを知ったほかのユーザーも「こっちにもネムを送ってくれ」などと要求。過去最大級の仮想通貨流出でありながら、まるでお遊びのような光景が広がった。
ネム盗み出しの犯人には不可解な点が多い。犯行が発覚するまでの有利なタイミングに、現金化を図った形跡がないのはなぜか。少額送金を繰り返す理由は何か。いくつもの疑問が浮かぶ。ネムの一部を別の仮想通貨に交換したとの情報もあるが、それも数万円相当とされ、あまりに少額だ。