過疎厳しく 住民消えた集落 雪深い新温泉町・桧尾地区 兵庫

無人集落となった桧尾地区。残る民家は雪に埋もれたままだ=新温泉町
無人集落となった桧尾地区。残る民家は雪に埋もれたままだ=新温泉町

 過疎化と高齢化が進む新温泉町で、住民が消えた無人の集落が出現した。山間の桧(ひのきお)尾地区。平成26年までは2世帯(2人)が生活していたが、高齢になり、相次いで亡くなった。行政上の地区名は残っているものの、無人の地区は現在、大雪に埋もれたまま、時間が止まっている。

 平成29年版「新温泉町統計要覧」の「地区別世帯数、人口」(昨年10月1日現在)では、町全体115地区のうち同地区だけが人口、世帯数とも「0」「0」の数字が並ぶ。

 同地区は、香美町村岡区味取地区に隣接する豪雪地帯。同町役場から約10キロの山間にあり、かつては十数軒の集落だった。昭和50年代、集団移転で一部は別の地区に移り住んだが、2軒はそのまま残り、生活を続けていたという。

 県道から現在の集落まで車で向かうと、熊谷地区から桧尾地区につながる道は、車1台の通行がやっと。除雪は行われているが、あまりに雪深いため、結局、集落手前で引き返すことになった。それでも、高台の道から見える民家は大雪で埋まったまま。無人の光景は、過疎地域の厳しい現実を物語っていた。

 国勢調査によると、新温泉町の世帯数は昭和45年が5413世帯(人口2万2961人)で、平成27年は5291世帯(同1万4819人)。45年間で世帯数はほぼ横ばいだが、約8千人が減少した。

 西村銀三町長は「町内の人口10人以下の地区には強い危機感を持っている。住民への支援に力を入れたい」と話している。

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