パラアーチェリーの伝道者(3)

世界との練習量の差を思い知り 「時間と金」アピール、パラアスリート上山友裕さん

世界との練習量の差を痛感したという上山友宏さん。選手として全力を尽くすため、環境の充実を追い求める=堺市の浜寺公園アーチェリー場
世界との練習量の差を痛感したという上山友宏さん。選手として全力を尽くすため、環境の充実を追い求める=堺市の浜寺公園アーチェリー場

 --パラアーチェリー日本代表としての成績はすぐ上がっていきましたか

 上山 最初はそんなこともなかったですよ。初めて出場した2013年の世界選手権は1回戦負けでした。経験がプラスされて強くなっていけたかなと思います。

 --自宅にも練習場があるとか

 上山 大学1年のときに下宿組が大学の近くに住んでいて練習場に10分で行けたんです。僕は自宅から片道1時間。だから、自宅に練習場があれば同じ練習量ができると思って作りました。

 --練習時間を増やすと成績は上がりましたか

 上山 練習量がすぐ成績に表れる競技なんですよ。僕の場合は練習するほど点数が上がっていくタイプで。

 --試合では的まで70メートルの距離があります。同じような的を作ったんですか

 上山 距離はそんなに取れない分、的を小さくしました。1円玉ぐらいのテープを並べて貼っていって、片っ端から狙っていく練習です。

 --初めて日本一になったのが平成24年。世界に向けて気持ちが高まったのでは

 上山 パラの世界に入った時点で日本一にはなれると言われていたんで、最初から世界に目は向いてました。

 --世界選手権の結果はどう受け止めましたか

 上山 最初の世界選手権の1回戦で1ポイントも取れずに負けたんです。その相手選手がリオデジャネイロ・パラリンピックの金メダリストなんですけど、当時は上位の選手ではなかったんで、めちゃくちゃ考えました。でも、それまでは日本のことしか知らない「井の中の蛙」だったので、考えても限界があるんです。だから、世界の選手たちに聞いたんです。

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