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仙台の奥座敷秋保温泉(仙台市太白区)にある老舗旅館「岩沼屋」の蔵から400年以上前に先祖が護身用として携帯していた刀剣が発見された。古くは室町時代に作られたものもあり、刀と、鍔(つば)や鞘など装飾的な部分にあたる「拵(こしらえ)」が当時のまま残っているのは非常に珍しいという。刀剣ファン垂涎(すいぜん)のコレクションは注目を集めそうだ。(大渡美咲)
岩沼屋の蔵から見つかったのは室町時代の備前刀、則光の脇差(刃長約51センチ)や美濃刀、兼幸の脇差(同32センチ)など8本。いずれも刀と拵がすべて当時の姿のまま保存されていた。このうち2本は室町時代に作られており、平安後期から慶長元(1596)年までに作られた「古刀」にあたる。6本は江戸時代に作られた。
寛永2(1625)年に岩沼屋を創業した橘家は400年以上前に京都から東北に来て旅館を始めたといい、道中で護身用として携帯したものとみられる。
一昨年、前社長の橘晴哉さんが亡くなり、遺品を整理するために長男で現社長の道博さんが江戸時代からある蔵を確認したところ、刀剣を発見したという。会長で晴哉さんの妻、眞紀子さんも、亡くなった父の恭造さんから刀剣の存在は聞かされていたが、目にしたことはなかったという。