衝撃事件の核心

いじめではなく「ゲーム、遊びだった」…大津いじめ自殺、元同級生らが法廷で語ったこと

大津地裁の前で取材に応じる遺族の代理人弁護士=平成29年12月14日
大津地裁の前で取材に応じる遺族の代理人弁護士=平成29年12月14日
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「この6年間で、息子への謝罪の気持ちを持ったことはありますか」。中学生の息子を亡くした父は法廷でこう問いかけた。平成23年に大津市立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺したのは「いじめが原因」として、遺族が元同級生らに損害賠償を求めた訴訟。昨年秋から年末にかけ、大津地裁で元同級生らの証人尋問が行われた。事件から6年を経て、初めて法廷に立った元同級生ら。いじめ防止対策推進法が制定されるきっかけにもなった大津いじめ事件だが、公開の場で元同級生は何を語ったのか。(取材班)

真相解明は民事の場へ

男子生徒が亡くなったのは、平成23年10月11日。大津市内の自宅マンションから飛び降り自殺した。その後、市教委が学校内で実施したアンケートなどから、男子生徒が同級生からいじめを受けていたことが判明。市が設置した第三者調査委員会は報告書で同級生らによる男子生徒への行為を「いじめ」と認定し、「いじめが自殺の直接的な要因になった」と結論づけた。

男子生徒の父親は24年7月、3人を暴行や恐喝などの罪で刑事告訴。このうち当時14歳だった2人は滋賀県警が暴行容疑などで書類送検し、大津地検が大津家裁に送致。13歳だった1人については、県警が暴行などの非行事実で児童相談所に送致し、児相が大津家裁に送致した。

大津家裁での少年審判では、あおむけにした男子生徒の口の上にハチの死骸をのせた行為や顔にペンで落書きするなどした暴行を認定。家裁は男子生徒のクラスメートだった当時14歳と13歳の2人に保護観察処分、当時14歳で別のクラスの1人については「頻度が少ない」として不処分の決定を出した。

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