札幌市の共同住宅で火災が起き、多数の死傷者が出た。自力で逃げることのできないお年寄りや体の不自由な人が暮らしていた。
安全管理が手薄でなかったか検証すべきである。命を守る対策の徹底を求めたい。
火災は深夜に起き、木造の古い建物は激しい炎と煙に包まれた。入居していた16人のうち11人が死亡する惨事となった。
この共同住宅は、民間の会社が生活困窮者らの自立支援施設として運営していた。生活保護費などを入居費にあてる仕組みで、入居者には認知症や介護が必要な人も多かった。
建物は元旅館で下宿に用途変更して使っていた。火災報知機はあったが、スプリンクラーは設置されていなかった。法令上、設置義務がないという。
昼間は職員が常駐していたが夜間は不在だった。
災害時、お年寄りや障害のある人は、自らの判断で避難できない例もある。未然防止や被害を広げない防火対策はもちろんのこと、避難誘導を含め、災害弱者へのより高い安全対策が求められる。
その認識が十分だったか。