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富士フイルムホールディングス・古森重隆会長「再生医療でトップ走る」

(古厩正樹撮影) 
(古厩正樹撮影) 

 --今年の展望は

 「中期経営計画『ビジョン2019』の2年目で着実に伸びていく年だ。先行投資でまだ収益が得られていない(ヘルスケア分野の)再生医療事業と医薬品事業を収支とんとんへ持っていく。最終年度は営業利益が過去最高の2300億円を達成できる見込みだ」

 --祖業のフィルムに代わり成長の柱はヘルスケア分野だ

 「フィルムを失って事業構造を大きく転換し新しく強化してきた分野が軌道に乗ってきた。医薬品事業ではがんに効く薬をカプセル状にして患部に届ける『リポソーム製剤』の開発を手がける。自社で培った技術を用い、既存の薬に新しい機能を持たせて新薬にしようという『イノベーション』を強力に進めている」

 --再生医療にも注力する

 「巨大市場に成長するだろう。日本で初めて再生医療製品を上市したジャパン・ティッシュ・エンジニアリングをグループ会社化し、さらにiPS細胞開発・製造の米セルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI)を買収するなど、再生医療に必要なものをそろえてトップを走る」

 --傘下の富士ゼロックスの不正会計問題を受けては

 「ゼロックスからは6人の役員に退任してもらうとともに、富士フイルムホールディングスからは7人の役員を派遣した。ゼロックスは複合機のトップメーカーで、先進的な技術を持ち商品力も高い。富士フイルムの良さを取り入れもっといい会社にしていく」

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