加熱式たばこ、安全なの? 専門家警鐘「有害物質含む」

危険性の認識を

 「紙巻きたばこと比べて低い値ではあっても、同じ有害物質が含まれている」。昨年11月に京都市内で開かれた日本禁煙学会学術総会では、加熱式たばこに警鐘を鳴らす医師らの発表が相次いだ。

 加熱式たばこは周囲への悪影響がないというイメージが先行する中、他の人が吸っていた加熱式たばこによる急性症状が、約38%の人に「あった」とする調査結果も発表された。1万人以上が対象のインターネット調査で、約33%の人が気分が悪くなり、約24%がのどの痛みを感じたという。

 この調査を行った大阪国際がんセンターの田淵貴大・がん対策センター副部長は「吸った人が吐き出す息には有害物質が含まれ、たとえ量が少なくても、ぜんそくの子供やがん患者などへの影響は大きい。少量でもホルムアルデヒドなどの発がん物質は含まれており、吸っている本人も長く吸い続ければ、当然がんの発症につながる」と説明している。危険性について正しく認識し、少なくとも禁煙の場所では控えるマナーは必要だろう。

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