加熱式たばこ、安全なの? 専門家警鐘「有害物質含む」

「追跡調査が必要」

 加熱式たばこの国内での普及は、ごく最近のことだ。フィリップモリスジャパンが28年4月にアイコスの全国販売を始めたのに続き、昨年10月からは、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコが「glo(グロー)」を全国販売。日本たばこ産業(JT)の「Ploom TECH(プルーム・テック)」は現在、東京都と福岡市のみだが、2月から大阪市など他の6都市でも買えるようになる。

 利用者も増え続け、フィリップモリスジャパンは、昨年9月時点で約300万人が紙巻きたばこからアイコスに移行したと推計。JTは、たばこ全体に占める加熱式たばこのシェアが、32年に30%を超える可能性もあると予測する。

 人気の背景にあるのが、周囲への迷惑にもならず、健康リスクも少ない-といったイメージだ。そもそも「ハーム・リダクション(害の低減)」という視点で開発された製品であり、フィリップモリスジャパンなどは、紙巻きたばこに比べ、加熱式たばこから吸い込まれる有害物質は平均約90%少ないとの分析結果を公表している。

 ただ、フィリップモリスジャパンは「リスクがないというわけではない」とも明言。ブリティッシュ・アメリカン・タバコの広報担当者は「紙巻きたばこと比べて健康を損なうリスクが減ったのかどうかは、実際に吸った人と吸っていない人の集団を10年や20年追跡して調査しないと、確かなことは言えない」と話す。

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