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アメリカザリガニの華麗な変身が進行中だ。
紅白に青色までを交えた妖精のような艶(あで)やかさ。初めて見た人はきっと驚くことだろう。変哲のない茶褐色の地味な姿とは比べようもない。
デビュー名は「タイゴースト」。タイから輸入されている観賞用アメリカザリガニだ。ペットショップやネット販売でブームとなりつつある。子供だけでなく、大人の間での飼育熱の高まりを予感させる魅力的な甲殻類のニューフェースなのだ。
一方、アメリカザリガニそのものは、駆除のやり玉にも挙げられる困った存在だ。それだけに、タイゴーストの出現で広がる議論の波紋もまた大きい。
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水生生物研究家で出版社「ピーシーズ」社長の森文俊さんによると、タイ国内の観賞魚養殖家が鮮烈な色彩のタイゴーストをフェイスブックで紹介したのは2016年10月。
早くも翌春には日本への輸入が始まった。
アメリカザリガニは、食用ガエルの餌として1927年に原産地のアメリカから日本に持ち込まれた外来生物だ。
生態系などへの悪影響が認識されているにもかかわらず、輸入や飼育などが禁止される「特定外来生物」には指定されていない。その主な理由は、既に国内のあまりに広い地域に大量に生息しているためだ。