防衛省統合幕僚監部は29日、中国軍のY9情報収集機1機が同日午前から午後にかけ、東シナ海から対馬海峡を通過し、日本海まで往復飛行したと発表した。航空自衛隊の戦闘機などが緊急発進(スクランブル)して対応した。防衛省が目的を分析している。領空侵犯はなかった。
中国軍機がこのコースで日本海に進出したのは、爆撃機や戦闘機など計5機の飛行が確認された昨年12月18日以来。
中国空軍は当時、「中国空軍による初の対馬海峡通過だ」と宣言し、中国軍による遠方展開が新たな段階に入ったことを誇示していた。「特定の国家や地域を対象にしたものではない」としつつ、「日本海は日本の海ではない」「外国軍機(日韓機による緊急発進)の妨害に対処し、訓練目的を達成した」などと断言していた。
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【ソウル=名村隆寛】韓国軍合同参謀本部は29日、中韓双方が管轄権を主張する韓国南部の岩礁、離於島(イオド)(中国名・蘇岩礁)付近の日韓両国の防空識別圏内に中国軍機1機が侵入し、韓国軍戦闘機を緊急発進させたと発表した。離於島付近では日中韓の防空識別圏が重なっている。