東京五輪

東京五輪で首都高渋滞1.8倍 物流業界「時間変更厳しい」 都と組織委「対策なければ」

交通量抑制に向けた企業の行動イメージ
交通量抑制に向けた企業の行動イメージ

2020年東京五輪・パラリンピックの交通・輸送をめぐり、大会組織委員会と東京都が、「対策を講じなければ首都高の渋滞で無駄になる時間が約1.8倍に悪化する」との想定をまとめた。大会と都市活動の両立に向け、一般道を含め東京圏の交通量を15%程度減らす目標を掲げるが、物流の網は全国、世界とつながっており、東京圏の枠を超えて個人・企業の理解を取り付けるといった課題がある。

19日に開かれた東京大会の「輸送連絡調整会議」で、組織委と都は渋滞の悪化想定と交通量抑制の目標などを盛り込んだ提言書を公共交通などの関係機関に示し、協力を改めて求めた。組織委幹部は取材に「渋滞が2倍近くになる状態は都市活動と大会輸送の双方に影響を与える。交通マネジメントの導入が不可欠だ」と述べる。

臨海部の晴海にある選手村を中心にした「コンパクト五輪」を掲げて招致した東京大会だったが、経費削減に向けた既存施設の方針のもとで会場は埼玉、千葉など各県に広がり、選手ら大会関係者の輸送ルートは高速道路が主軸となる。

提言では交通量抑制に向け、個人・企業に対して混雑時間を避ける形での通勤時間の変更や、物流関連での集荷・配達の回数減といった協力を呼びかけることが対策の柱に据えられている。

大会関係者間で成功例として着目されるのはロンドン大会だ。個人、一般企業、物流事業者向けの対策をそれぞれ立てたとされ、ロンドン交通局の資料によると、物流事業者では約6割で「混雑箇所を避けて経路を変更」、約4割で「不急の配達を延期」するなど行動の変化が確認された。

ロンドン大会時にロンドン市長を務めたボリス・ジョンソン英外相は当時、地下鉄で自らの録音音声で外出を控えるよう呼びかけたといい、昨年7月に都庁を訪問した際は「呼びかけが成功しすぎて、大会前半は観客が来なかった」と冗談交じりに振り返った。