主張

仮想通貨の流出 安全対策がずさんすぎる

 政府は資金決済法の改正で取引所の登録制などを導入した。コインチェックは登録審査中の「みなし業者」だが、その管理体制はあまりにもずさんである。

 不正アクセスに気づいたのは8時間もたってからだった。ネムの保管は安全性の高いオフラインではなく、ネットに接続して行う仕組みである。複数の秘密鍵を用いる技術も導入していなかった。

 和田晃一良社長が「技術的な難しさと人材不足が原因」と語ったのは無責任にすぎる。同社はタレントをテレビCMに起用し、宣伝に余念がなかった。安全性の確保を脇に置いて顧客獲得に奔走したと言われても仕方があるまい。

 仮想通貨で忘れてはならないのは、北朝鮮の不正獲得など、テロや犯罪に利用される懸念だ。3月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも規制について議論される。新たな技術の健全な発展をどう促すか。国際社会が連携して対応するのは有用だ。