話の肖像画

元プロレスラー ザ・デストロイヤー(1)素顔時代にハワイで会得した4の字固め

ザ・デストロイヤー(上塚真由撮影)
ザ・デストロイヤー(上塚真由撮影)

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〈「白覆面の魔王」の異名をとり、1960〜70年代の日本で絶大な人気を誇った外国人覆面プロレスラー。90年代にレスラーを引退後も、アマチュアスポーツ交流などを通じて日米の懸け橋に努めてきた功績が認められ、平成29(2017)年秋の外国人叙勲で旭日双光章が贈られた〉

驚きました。そしてうれしい。日本からの勲章なんて、そんなに多くの米国人がもらえるものではないですから。伝達式は、2月3日に私が住む家の近くの町、ニューヨーク州バファロー市で行われますが、もしも私が皇居に参上して天皇陛下から勲章を直接いただくことができたとしたら、面白いことになったでしょうね。陛下に拝謁する際は、誰もが帽子やマスクを取らなくてはならないそうですから。

私はこれまでの人生で、「日本人の前でマスクは脱がない」という主義を貫いてきました。とはいえ、陛下の前で非礼に当たる振る舞いはしたくありません。天皇陛下が「ザ・デストロイヤーのマスクをはいだ唯一の日本人」になられたことでしょう。

〈本名はリチャード(ディック)・ベイヤー。1954年にデビューした当時は、「フライング・ディック・ベイヤー」のリングネームで素顔で戦っていた〉

プロレス入りのきっかけは、バファローの興行主、エド・ドン・ジョージからのスカウトです。一度は断ったのですが、「高収入を得られる」と言われ、シラキュース大で修士号(教育学)を取った後に決断しました。私のリングネームの一つが「インテリジェント(知性的)・センセーショナル・デストロイヤー」なのも、この学歴から来ています。