北朝鮮選手12人が追加され、韓国チーム23選手と合わせて35人の大所帯になる。だが、競技エントリーは他国との公平性のため22人に限定される。そして、試合ごとに3人の北朝鮮選手を出場させなければならない。昨年4月に韓国・江陵で行われた世界選手権で、韓国は北朝鮮に3-0で勝利。中央日報によると、サッカーの点差よりも大きな実力差が出る点数だという。マレー監督は当時、韓国の控え選手の方が北朝鮮選手よりも優れていると語っている。
となれば、勝利のためには北朝鮮選手をリンクに出す必要性はないのだが、出場させなければ反発が予想され、チーム内の和を崩しかねないという懸念がある。中央日報によると、男女アイスホッケー代表のモットーは「奇跡」という。世界ランク22位の韓国(北朝鮮25位)が平昌五輪1次リーグB組で格上のスイス(6位)、スウェーデン(5位)、日本(9位)に対し「200%の力を発揮できたとしても奇跡が起こせるかどうかなのに」とGKシン・ソジョン(27)は朝鮮日報に語り、北朝鮮選手の合流に戸惑いを見せている。
文化体育観光省の都鍾煥(ト・ジョンファン)長官らは合同チームに「何ら問題はない」という認識を示したが、12人も北朝鮮選手が加われば、韓国代表で最初からリンクに立てない選手が出てくるのは自明。シン・ソジョンは苦楽を共にしてきた仲間として「そういう姿を見たら胸が引き裂かれるような思いになるだろう」と心境を吐露。不安な状況に「選手たちは傷つき、士気も下がった状態だ」と明かした。