「イェーイ!」
大阪国際女子マラソンのゴールテープを切った瞬間、松田瑞生(22)=ダイハツ=は両手で大きくガッツポーズをすると、待ち構えていた母、明美さん(52)に抱きつき、喜びを爆発させた。
発着点のヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)から約3キロ離れた同市住吉区出身という生粋の「大阪人」。2020年東京五輪の主役候補に一躍名乗りを上げる快走に、家族や関係者らは喜びを爆発させた。
松田が本格的に陸上を始めたのは、中学2年のとき。地区のマラソン大会で優勝するなど、すぐに頭角を現したが、その競技人生を陰で支えてきたのが鍼灸(しんきゅう)院を営む明美さんだった。
試合前はり治療
「必死で走るミーちゃん(松田)に、少しでも力になってあげたい」
試合に臨む前は決まって治療を施し、今回も大会2日前、体にはりを打った。「普段より肩に余分な力が入っていない」と感じ、「調子がいい、結果も期待できるかもよ」と声をかけた。さらに、寒さに弱い松田のため、レース前日も宿泊するホテルまで出向き、体を温めるお灸も施したという。