国重文の仏像2体、東京の寺から「盗難」主張していた滋賀・甲賀市の寺へ 大津地裁が引き渡し命じる

 滋賀県甲賀市の大岡寺で15年以上前から所在が確認されていない国重要文化財の仏像2体をめぐり、東京都品川区の安楽寺が所有権の確認を求めた訴訟で、大津地裁(西岡繁靖裁判長)は25日、安楽寺の請求を棄却し、大岡寺へ2体を引き渡すよう命じた。

 判決などによると、2体は「木造千手観音立像」と「木造阿弥陀如来立像」。いずれも昭和25年に重要文化財に指定され、大岡寺が所有者として登録された。

 安楽寺の主張によると、大岡寺が平成18年から19年ごろに東京都内の会社に仏像を譲渡。その後、2体は同社の関係者らの金銭の貸し借りの担保にされるなどしたあと、最終的に27年1月、安楽寺に寄進されたとしている。

 一方、大岡寺は東京都内の会社に保管を委託したが、13年1月に何者かに盗まれたと主張していた。

 判決で西岡裁判長は、担保として有償譲渡されてきたとする経緯について「重要文化財が流通することは考えがたく、仏像の来歴に注意を払う必要があった」とし、仏像の所有者として登録されている大岡寺にも十分な確認を行っていないとして「仏像の引き渡しを受けるに当たって、過失があったことは明らか」とした。

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