「津波試算に違和感」東電強制起訴、担当者を証人尋問

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された同社元会長、勝俣恒久被告(77)ら旧経営陣3被告の第2回公判が26日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。事故当時、東電で原発の設備管理に携わっていた男性担当者が証人出廷し、事前にとり得た対策を説明する一方、想定を超える津波の高さの試算に対し疑問を感じていたことを明らかにした。

 他に強制起訴されたのは、いずれも元副社長の武黒一郎(71)、武藤栄(67)の両被告。

 担当者は証人尋問で、原発敷地内の浸水防止対策などを事前に講じるべきだったと指摘したが、東電は当初5.7〜6.1メートルの津波の高さを想定しており、これを超える対策はとられていなかったと証言した。

 平成20年6月、武藤被告らが出席した社内会議では、最大15.7メートルの津波が来る可能性を示す試算結果が土木調査グループから報告されたが、ここでも具体策の検討はされず、「過去の試算に比べ極端に高く、かなり違和感を覚えた。プラントを止めてまで対策する認識はなかった」と振り返った。

 公判で証人尋問が行われるのは初めて。永渕裁判長は、秋ごろまでに20人超の証人尋問と被告人質問を終える方針を示した。

 津波を予見しながら、対策を取る義務を怠って事故を招いたかが最大の争点で、3被告は「事故の予見や回避は不可能だった」として無罪を主張している。

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