浪速風

「世界の銀座」をつくった男

映画「ティファニーで朝食を」で、着飾ったオードリー・ヘプバーンが、ニューヨークの5番街にある宝石店「ティファニー」のウインドーを眺めながら、パンとコーヒーの朝食をとる。こんなシーンが似合うのは、日本では銀座だけだろう。悔しいけれど、大阪にはない。

▶茂登山(もとやま)長市郎さんは戦争中に中国の天津租界で目にした美しい外国製品に感動し、輸入品を扱う「サンモトヤマ」を設立した。セレクトショップの草分けで、グッチやエルメスなどの高級ブランドをいち早く紹介した。「商いは、飽きない」「文化を売る」という哲学は、豊かになった戦後の消費社会をリードした。

▶銀座に移転してまもなく東京五輪が開催され、「GINZA」は海外にも知られた。「銀座を東京の銀座とするのみならず、日本の銀座とする、さらに世界の銀座としたいのである」。昭和11年刊行の「次に来るもの」でこう書いたのは、阪急グループの創業者、小林一三である。