猫は中国から船で? 源氏物語にも登場、愛らしい猫から化け猫まで、「アートになった猫たち展」 兵庫・姫路

猫に関連する絵画などが並ぶ「アートになった猫たち展」
猫に関連する絵画などが並ぶ「アートになった猫たち展」

 浮世絵や近現代絵画、陶芸品などのモチーフとして取り上げられてきた猫と人間の関わりを紹介する特別展「アートになった猫たち展」が、姫路市書写の書写の里・美術工芸館で開かれている。江戸時代から現代までの作品約200点が展示され、各時代の猫の描かれ方を比べることができる。3月4日まで。

 猫は、経典が船で中国から日本にもたらされた際に、ネズミの害から経典を守るために一緒に乗せられてきたとされる。

 平安時代には貴族を中心に愛好され、「源氏物語」では光源氏の妻、女三宮と貴公子柏木の道ならぬ恋の発端を演出する役回りで猫が登場する。江戸時代以降は庶民にも広く浸透し、浮世絵や日本画にもたびたび取り上げられた。

 展示では、化け猫から愛らしい猫までさまざまな猫を描いた浮世絵師、歌川国芳の作品を中心に、竹久夢二や夏目漱石など、猫との関わりが深い文化人の絵画や本の挿絵を紹介。

 また、養蚕が盛んだった上野国(現群馬県)でネズミの害から蚕を守るお札代わりとして珍重された絵画「新田猫」や、歌手の八代亜紀さんが手がけた猫の絵も展示。さまざまな表情やしぐさを見せる招き猫などの陶芸品も並べられている。

 同館の岡崎美穂学芸員は「生活のあらゆる場面に顔を出す猫たちの姿を作品を通して楽しんでほしい」と話している。午前10時〜午後5時。月曜休館。問い合わせは同館((電)079・267・0301)。

会員限定記事会員サービス詳細