「苦しみ心で受け止め」 臨床宗教師、龍谷大院で13人研修終了 京都

 災害・医療現場で悲嘆や苦悩のケアに当たる宗教者の専門職「臨床宗教師」を養成している龍谷大大学院で平成29年度、新たに13人が研修を終えた。26年度に開講して以来、4年間の修了生は通算45人となった。

 修了生らは昨年5〜12月、東日本大震災の被災地や緩和ケア病棟のあそかビハーラ病院(城陽市)などで約150時間の実習を受け、相手の話に耳を傾ける「傾聴」や、異なる宗教間で協力する能力などを身につけてきた。

 修了式が京都市下京区の大宮学舎で17日行われ、東北大大学院の谷山洋三准教授(臨床死生学)が、3月に始まる臨床宗教師の資格認定制度について講義。「布教を目的としないことを定めた倫理綱領を守ることが大切だ」と述べた。

 東日本大震災の被災者との交流が最も印象に残ったという兵庫県尼崎市の浄土真宗本願寺派僧侶、天崎仁紹さん(24)は「悩みや苦しみを心で受け止める僧侶になりたい」。比叡山で修行中の天台宗僧侶、吉田直司さん(44)は「相手の思いや言葉をすんなり聞くことが、いかに難しいかを知った研修だった」と振り返った。

 30年度の受講生は2月1〜12日に募集。書類審査と面接がある。問い合わせは龍谷大文学部教務課(電)075・343・3317。

 臨床宗教師 被災者やがん患者らの苦悩や悲嘆を和らげる宗教者の専門職。相手の価値観を尊重し、布教や宗教勧誘を行わない。欧米の聖職者「チャプレン」の日本版として、平成24年度から東北大大学院が養成を始め、各地の大学に広がった。今年3月から「日本臨床宗教師会」による認定資格になる。