健康カフェ

(111)ウオーキング 交通量多い道路沿いは避けて

 糖尿病で通院する70代男性は、健康のために毎朝1時間、交通量が少ない河川敷を歩いているそうです。男性は「少しでも良い空気の中を歩きたいので」と話します。

 確かに、同じ歩くなら大型トラックが行き交う道路沿いよりも、緑の多い公園や河川敷を歩く方が健康によさそうな気がします。というか、道路沿いを歩くのは、逆に健康によくない影響があるようにも感じます。実際はどうなのでしょう。興味深い研究が2017年12月に報告されています。

 60歳以上の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)患者▽狭心症患者▽健常者-の3グループの人たちに、「交通量の多いロンドン中心地の街路」と「ロンドン市内の広い公園の中」を、日にちを変えてそれぞれ2時間歩いてもらい、健康への影響に違いがあるかを調べました。

 その結果、3グループのいずれもが、公園の中を歩いたときは呼吸機能と動脈硬化に関連した血管の機能が改善しましたが、街路の歩行では減弱していました。中でもCOPD患者は、街路の歩行でせきや喘鳴といった呼吸器症状が明らかに悪化しました。汚染物質(二酸化窒素や超微粒子など)の濃度で比べると、濃度が高いほど呼吸機能の低下が大きくなっていました。

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