平昌五輪

北朝鮮選手派遣 ルール曲げたIOC 「南北融和」利用か

 国際オリンピック委員会(IOC)、韓国と北朝鮮の国内オリンピック委員会、平昌五輪大会組織委員会による4者会談で北朝鮮が22選手を同五輪に派遣することが決まった。南北の次官級の実務会談で合意したアイスホッケー女子の五輪初の南北合同チーム結成と開会式で「統一旗」を掲げた合同入場行進もIOCが追認した形だ。

 IOCは「南北融和」の旗印の下、実力で出場枠を獲得していない選手に政治判断で参加資格を認めたことになる。さらにはアイスホッケー女子の合同チームが結成されることにより、韓国選手の出場機会が減少する。明らかにスポーツの公平性を欠いている。スポーツの価値を守るべきIOC自らがルールを曲げてはスポーツの根本を揺るがしかねず、五輪の存在意義すら疑われかねない。

 南北合同入場行進は過去3度の五輪で行われ、南北合同チームは、1991年に卓球とサッカーの国際大会でも結成されたことがある。いずれの際も「融和ムード」が演出されたが、そんな中でも北朝鮮は核・ミサイル開発を進めてきた。今となっては「平和」は幻想だったというしかない。

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